【節税対策】財産の分類:非上場株式
非上場株式の節税対策
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節税への道:納税猶予の特例を利用する
『納税の猶予の特例』が認められるケースがあるみたい。
公的なパンフレットを紹介するなら、このあたりかな。
国税庁 > 非上場株式等についての特例のあらまし
この特例は、E太さんも言ってた通り、平成25年度に
税制改正があって、平成27年度1月1日からの適用だね。
財務省 > 平成25年度税制改正パンフレット
同族会社やオーナー会社といった、非上場会社の株式だね。
どうして相続税対策が必要になるかって言うと……。
先代の経営者である被相続人から、後継者である相続人が
いわゆる同族株・自社株として財産相続を受けたとするよ。
創業時の資本金がそれほど大きくない中小企業でも、
業歴や業績の積み重ねによって、株の評価額は高くなる。
遺産総額が膨らめば、かかる相続税もかさむよね。
でも、上場会社の株式と違って、明確な取引相場が
ないぶん非上場株式は換金性が低いのが問題なんだ。
相続税が発生しても、納税の資金にあてにくいでしょ?
相続税を納めるために必要な資金調達の問題や、
そこからくる事業承継への支障も緩和できるのか。
具体的には、どの程度の負担を猶予してもらえるの?
ここでは特例の大筋をざっくりまとめてみよう。
●相続税の納税猶予
先代経営者である被相続人から非上場株式を
相続した後継者が、その会社を経営していく場合、
株式にかかる相続税額のうち80%の納税が猶予される。
●贈与税の納税猶予
先代経営者である贈与者から非上場株式を
受贈した後継者が、その会社を経営していく場合、
株式にかかる贈与税額のうち全額の納税が猶予される。
ただし、どちらの場合も猶予の対象となる株式数は
後継者が既に保有している株式を含めて3分の2まで。
適用を受けるのはなかなか大変かもしれないけど……
数字で見ると、けっこう違いが出てきそうだ。
納税までに猶予ができれば、資金調達のために
慌てて財産を手放したりせずに済むかもしれないね!
節税への道:株式の評価額を下げる
評価額を下げることで、相続時の負担を減らしたり
他にも贈与や譲渡をしやすくなるメリットがあるよ!
この対策にはいくつか方法があるんだけど、その中でも
有効なものに挙げられるのは『役員退職金』の活用かな。
評価額の出し方は……おっと、このあたりにあるね。
国税庁 > タックスアンサー > 取引相場のない株式の評価
でも、どうしてその『役員退職金』が評価額に繋がるの?
評価額は、会社の総資産や負債などが元になるんだ。
そこで、『役員退職金』のために大きな額を外に出したり、
負債を作ることによって、連動して評価額も下がるのさ。
だからそのぶん、高い金額を支払うのがより効果的だね。
『死亡退職金』と違って、生前のうちに支払えるところも
この『役員退職金』が節税対策として利用しやすい点かな。
相続や事業承継で困らないように、自社株の評価額を
調整することも考えに入れて備えると良さそうだ。
評価額を下げる方法としては、他にどんなものがあるの?
会社の資産計上を見直すことが、株式の評価額に繋がる。
例えば会社が、活用していない土地などの不必要な
資産を保有しているなら、売却してしまうのもいい。
会計処理で損金として算入できるからね。
『小規模宅地の評価の特例』を活用するなど、土地を
売却しなくても資産評価を抑えられるケースもある。
あとは……株を新規に発行するのもアリかな。
価値が分散されて、1株あたりの評価額が下がるから、
信頼できる相手にその株を引き受けてもらってもいい。
様々な方法があるので、詳しくは専門家に相談しよう!
節税への道:生前贈与を利用する
相続財産を減らして節税に繋げるやり方だったね。
『非上場株式』でも生前贈与は有効な方法なんだ?
より効果的な節税に繋げられるかもしれない。
『生前贈与』を考える前に知っておきたいのは、
『贈与』と『譲渡』の使い分けについてかな。
でも、株式の売却で金銭を得てしまうと
結局また被相続人の財産に加わるんだから、
相続税対策としてはあまり意味がないんじゃ……??
2つの方法に関係してくる税について、整理しよう。
わかりやすく A:先代経営者 B:後継者 とするよ。
●AからBへ株式を贈与する場合
- 株式がそのままBの財産へ移動するので、
Aの財産の総額は単純に減少する
⇒相続税の節税に繋がる - 贈与税の発生時には、Bが支払う必要があるが、
納税猶予の特例を活用できる可能性も
●AからBへ株式を譲渡する場合
- 株式はBの財産に移動するが、代わりに
その譲渡額がAの財産の総額へと加わる
⇒相続税の節税には直結しないが、
得た金銭を他の節税対策に転用も可能 - 株式の譲渡価額が取得価額よりも高い場合、
Aは譲渡所得について所得税を支払う必要あり
株式の時価や、扱う数量によって変わってくるはず。
そういう状況も加味しながらトータルで考えないとね。
どんな方法がより適切か、バランスを見て決めよう!