相続により取得した空き家を売却した場合の特別控除
遠方に親がひとりで住み相続が発生した場合などで、その自宅だった不動産を相続するケースが増えています。
この場合空き家となってしまった家屋については売却等を行い処分することが多いですが、通常の不動産売却に伴う税金は所得税と住民税を合わせて20.315%が課税されることとなります。
今回ご紹介する特例は、
「被相続人の居住用財産を売った場合の3,000万円の特別控除」です。
簡単に言うと一定の要件を満たした空き家である居住用財産は、確定申告で申請することによって3,000万円まで課税されません。
よほどの大豪邸や一等地でない限り、この3,000万円の範囲内で収まるかもしれません。なお売却代金が1億円を超える場合には適用不可となります。
特例を受けるにあたって必要な書類の中で一番大変なのが、市区町村長から交付を受ける「被相続人居住用家屋等確認書」というものです。
市町村長に以下の6項目を確認して発行してもらう書類となります。
①相続の開始の直前において、被相続人がその家屋を居住の用に供しており、かつ、その家屋に被相続人以外が誰も住んでいなかったこと。 |
②その家屋が相続の時から譲渡の時まで、誰にも何にも使われていなかったこと。 |
③その家屋が、被相続人が要介護認定等を受けて老人ホーム等に入所するなど、特定の事由により相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかったこと。 |
④その家屋が被相続人の居住の用に供されなくなった時から相続の開始の直前まで引き続き被相続人の物品の保管その他の用に供されていたこと。 |
⑤その家屋が被相続人の居住の用に供されなくなった時から相続の開始の直前まで、誰にも何にも使われていなかったこと。 |
⑥被相続人が老人ホーム等に入所した時から相続の開始の直前までの間において被相続人の居住の用に供する家屋が2以上ある場合には、これらの家屋のうちその老人ホーム等が、被相続人が主として居住の用に供していた一の家屋であること。 |
その他に時期(相続してから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること)や建物自体(昭和56年5月31日以前に建築された建物である、区分所有建物登記がされている建物でない)など細かい要件などもございます。
このような不動産の売却を検討する前には、事前にご相談ください。
適用の有無についてのご判断をさせて頂きます。