特別寄与料請求権の創設
2019年7月1日から相続に関する法律が大きく変わりました。
改正前の民法では、相続人でない親族が被相続人の介護や看病に尽くしても、相続財産を取得することはできませんでした。 このような不平等を解消するために改正され、被相続人の相続人でない親族が、『無償の療養看護等に貢献し、被相続人の財産の維持や増加について特別な寄与をした』場合、相続開始後に相続人に対して金銭(特別寄与料)を請求することができるようになりました。
■親族
ここでいう親族とは、配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族をいいます。 したがって、子の配偶者、先順位の相続人がいる場合の兄弟姉妹、被相続人の配偶者の連れ子などは、新制度の対象となります。
■特別寄与料を請求するためにしておきたいこと
請求する権利を使うには、その実態を証明しなければなしません。なので、介護日記などを作成してメモを残すことや治療費、介護用品代、交通費など出費した経費に ついてはレシートや領収書で記録を残す。また、日頃の貢献度合いを相続人と共有しておくとさらに効果的です。
■税務上の取り扱い
・相続人でない親族
特別寄与料の額は被相続人から遺贈により取得したものとみなして相続税の課税対象となります。
・特別寄与料を支払う相続人
支払うべき特別寄与料の額を各相続人の課税価格から控除できます。
◎注意
相続人でない親族が相続人から特別寄与料を受け取った場合、被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫(直系卑属)を含む)及び配偶者以外の人は、相続税額の2割加算の対象となります。